2023年5月1日、プロ卓球選手である石川佳純選手が現役引退を発表しました。正直、あまりにも突然の話で、衝撃的でした。卓球界の2023年一番のニュースといっても過言ではないと思います。
石川選手に敬意を表し、引退特集として石川選手の情報をいろいろとまとめさせていただきます。
引退特集について
私の大好きな卓球選手の一人である石川選手の引退を受けて、ブログで引退特集を書きたい!と衝動的に思ってしまいました。そこで以下のような内容にて引退特集を書いていこうと思います。
- 引退表明の内容、引退発表を受けての反応、経歴、戦績のおさらい
- 印象的な試合、注目すべきスーパープレー集
- 石川選手のSNS情報、今後について
石川選手が引退を発表
引退発表の内容
まずは、5月1日に発表された内容です。公式ウェブサイトから引用させていただきました。
こんにちは。本日は皆様にご報告があります。
私、石川佳純は、4月のWTTチャンピオンズ・マカオ大会をもちまして現役を引退することを決めました。最後の試合まで、これまで通りに集中し全力で戦う為に、事前にお伝えすることができませんでした。今年に入ってからは、大会毎に「この試合が最後になるかもしれない」と思いながら臨み、今、自分の中ではやり切ったという思いが強く、引退を決意した次第です。
7歳で卓球を始めた私の、現役生活23年間にはたくさんの素晴らしい経験がありました。全日本選手権で5度の優勝を。オリンピックではロンドンから3大会連続でのメダル獲得。そして混合ダブルスでの世界一。他にも思い出深い試合はたくさんあります。14歳から日本代表として国際大会に参加させていただき、長い間、世界のトップレベルで戦ったこと、たくさんの夢を叶えられたことを幸せに思います。
現役生活が長くなればなるほど、周りのサポートがあっての自分だという思いが大きくなりました。指導いただいたコーチ、トレーナー。長時間の練習に付き合ってくれた練習相手の方々、友人、そして家族。同じ気持ちで戦ってくれた私のチームに、心からの感謝を伝えたいです。
また、プロ選手としての活動を長い間支えていただきました、所属である全農様。ニッタク様、アシックス様、レゾナック様、長州産業様、TOTO様、エアウィーヴ様、ケアリッツ・アンド・パートナーズ様、木下アビエル神奈川様。各スポンサーの皆様に感謝を申し上げます。
そしてライバルでもあり、友人でもある選手たちにも感謝を伝えます。競技に対する姿勢、勝負の難しさ、厳しい競争の中で学んだことはたくさんありました。常に高いモチベーションで自分自身を磨き続けることができました。
最後に、いつも応援して下さるファンの皆様、ありがとうございました。嬉しい時、悔しい時、どんな時も私の気持ちに寄り添い、応援して下さった皆様に感謝しています。私のプレーを見て、応援いただいた皆様の明日が、少しでも前向きになっているとしたら、自分自身こんなに嬉しいことはありません。
これからまた新しいスタートとなりますが、卓球を通じて学んだチャレンジ精神を忘れずに、色々なことに挑戦していきたいと思います。たくさんの応援を、本当にありがとうございました。
なお、5月18日に記者会見を予定いたしております。私の気持ちを詳しくお伝えしたいと思います。
2023年5月1日
石川佳純オフィシャルウェブサイト http://kasumiishikawa.com/blog/2023/05/post-9b74.html
石川佳純
現役生活23年ということで、本当に長い間お疲れ様でした。今思うと、福原愛ちゃん2世のようなイメージで幼少期からずっと見続けてきました。初のオリンピックでは最年少でまだまだ子供のようなイメージでしたが、東京オリンピックでは女子チームの精神的支柱のような存在で、リードされてきたと思います。
新しいスタートも楽しみですが、とりあえずはゆっくりしてほしいと思います!
引退の理由
上記の発表にもある通り、「今、自分の中ではやり切ったという思いが強く、引退を決意した次第です」とあります。7歳から卓球を始めて現役生活23年間、やり切ったということですね。本当にお疲れ様でした。
引退会見はあるの?
気になる引退会見ですが、ありました!「私の気持ちを詳しくお伝えしたい」として、2023年5月18日に記者会見が開催されています。
Youtubeにて、日テレさんが動画をアップしてくれていたので、こちらで紹介しておきます。
引退発表をうけての反応
とくに卓球選手仲間からの熱いメッセージが多いですねー。それだけ他選手からも慕われ、信頼されていたんでしょうね。SNS上には多くのメッセージが寄せられていますが、目に留まったものを載せます。
福原愛(元卓球選手)
石川佳純が本日、引退を発表。事前に聞いてから本当に鼻が痛くなりました(涙が出ました)。
佳純とは、14歳の頃からたくさんの思い出があります。時には最大のライバル、時にはかわいい妹、時には最も信頼できる、時にはショッピングしたり、お話したりする友達。時には私の目標で有り、羨望の対象です。私に最大の力を与えてくれた偉大な選手です。
20年近く、彼女と一生懸命に生きられたことは、私の美しい思い出です。彼女と一緒に戦えたことは私の誇りです。インスピレーションと力をくれた佳純に感謝します。
佳純がいなかったら、日本チームはこの結果を達成できなかったでしょう。日本チーム全体のレベルを引き上げたのは佳純でした。
多くのファンが今日は泣いているかもしれません。しかし佳純はますます素敵になり、ますます幸せになるはずです。私たちは彼女を祝福し、彼女をサポートしたい。石川佳純、あなたが私たちに与えてくれた、全てのことに感謝します
福原愛 ウェイボ
吉村真晴(卓球選手、石川選手と混合ダブルスで世界卓球金メダル)
主な経歴、戦績をおさらい
主な経歴
まずは石川選手の主な経歴のおさらいです。(私が抜粋したもので、すべてのものではないです。)
- 1993年2月23日、山口県山口市生まれ。両親は共に元卓球選手。
- 7歳の誕生日に両親からユニフォームをプレゼントされ本格的に卓球を始める
- 小学校6年で出場した2005年1月の全日本卓球選手権女子シングルスで高校生と大学生を破り3回戦に進出。「愛ちゃん2世」として話題になる。
- 2005年大阪の四天王寺羽曳丘中学校に進学、福原愛がかつて在籍したミキハウスに所属
- 2011年、全農に所属
- 2011年、17歳10か月にして全日本卓球選手権大会女子シングルスで初優勝
- 2012年6月には世界ランキング5位に、2017年には自己最高位の3位に浮上
- 2018年、Tリーグの木下アビエル神奈川に所属
- 2023年2月、YouTubeにて「石川佳純のかすみんchannel」を開設
- 2023年5月、現役引退を表明
小さいころから卓球の英才教育を受けていたことが分かります。当時から愛ちゃん2世として注目され、テレビ取材も多くありました。今思うと、取材などプレッシャーがある中で、あれだけの選手になるなんて並大抵の努力ではないと思います。
主な戦績
次に、石川選手の主な戦績です。
- 2004年:
全日本卓球選手権大会(ホープスの部) 優勝 - 2005年:
全日本卓球選手権大会(カデットの部)13歳以下シングルス優勝 - 2006年:
全国中学校卓球大会 シングルス優勝、団体優勝 - 2007年:
全日本卓球選手権大会 シングルス ベスト4 、ジュニア優勝
全国中学校卓球大会 シングルス優勝(2連覇)、団体優勝 - 2008年:
全日本卓球選手権大会 女子シングルス ベスト4入り(2年連続)、ジュニア優勝(2連覇) - 2009年:
全日本卓球選手権大会 女子ダブルス初優勝(平野早矢香ペア)、女子ジュニア優勝(3連覇)
世界卓球団体戦(モスクワ大会)国内選考会 1位 - 2010年:
全日本卓球選手権大会 女子ジュニア優勝(4連覇)、混合ダブルス優勝(松平健太ペア) - 2011年:
全日本卓球選手権大会 女子シングルス初優勝、混合ダブルス準優勝(松平健太ペア) - 2012年:
ロンドンオリンピック 女子団体2位(石川、福原、平野) - 2014年:
全日本卓球選手権大会 女子シングルス優勝、ダブルス優勝(平野早矢香ペア)
第52回世界卓球(東京大会) 準優勝 - 2015年:
全日本卓球選手権大会 女子シングルス優勝、ダブルス優勝(平野早矢香ペア)、混合ダブルス優勝(吉村真晴ペア)
第53回世界卓球個人戦(蘇州大会) 混合ダブルス準優勝(吉村真晴ペア) - 2016年:
全日本卓球選手権大会 女子シングルス優勝
第53回世界卓球団体戦(クアラルンプール大会) 準優勝
リオデジャネイロオリンピック 女子団体3位(石川、福原、伊藤) - 2017年:
第54回世界卓球個人戦(デュッセルドルフ大会) 混合ダブルス優勝(吉村真晴ペア) - 2019年:
第55回世界卓球個人戦(ブダペスト大会)混合ダブルス準優勝(吉村真晴ペア) - 2021年:
東京オリンピック 女子団体2位(石川、伊藤、平野)
毎年様々な大会で優勝しており、それを積み重ね日本のエースになっていきました。
下の世代から伊藤や早田、平野などの強豪が出てきても同等以上に渡り歩き、日本代表では精神的支柱としても大きな役割を果たされたと私は思います。本当におつかれさまでした。ここでは戦績を書ききれませんが主なものだけ載せています。
印象的な大会・試合 5選
ロンドンオリンピック 女子団体
私が一番好きな大会であり、団体メンバーです。
ロンドンオリンピックの卓球女子団体、決勝で中国に敗れはしたものの、堂々の銀メダル。しかも卓球界悲願の初メダルでした。
シンガポールとの準決勝。第1試合のシングルスは福原で、相手のフェン・ティアンウェイは個人戦銅メダリスト。過去の対戦成績でも日本の3人は圧倒されていたのですが、3-1で勝利。「福原さんが勝ってくれて、こわいものはないと思えた」と石川も第2試合を制すと、第3試合のダブルスも石川と平野のペアが相手ペアを圧倒しました。
「日本卓球女子の三姉妹」と言われ、平野選手の統率力、福原選手の実力、そして石川選手の若い力が融合した姿が印象的だった大会でした。
- 団体メンバー:平野早矢香、福原愛、石川佳純
東京オリンピック 女子団体
#卓球 女子団体 日本、中国に敗れ「銀」 ロンドン五輪以来9年ぶりの銀メダル獲得|テレビ東京卓球NEWS:テレビ東京 https://t.co/H7RZs4EexR
— テレ東卓球情報 (@tvtokyo_tt) August 5, 2021
ロンドン五輪とは打って変わって、この大会は石川選手が日本チームの精神的支柱となり、リーダーシップを発揮していたような、そんな印象的な大会でした。
黄金世代と呼ばれ、若い力があった伊藤美誠・平野美宇をまとめ、3大会連続のメダル獲得でした。このころから、女子団体はメダルを取って当たり前、というような雰囲気があるなかで、かなりプレッシャーがあったと思います。そういう状況で、銀メダルの獲得は感動的でした。
ロンドン→リオ→東京と3大会連続五輪の出場で、石川選手が大きく成長している姿を見せていただきました。
ただ、改めて中国の壁は高い(中国には勝てない)ということを再認識させられた大会でもあったと思います。
- 団体メンバー:石川佳純、伊藤美誠、平野美宇
2011年 全日本選手権 シングルス決勝
2011年の全日本選手権、石川選手が初優勝しました。当時は高校生で、17歳。未来の卓球女子エースを感じる、そんな大会でした。
とくに印象的だったのは準決勝。相手は、あの福原愛選手(当時、世界ランク8位)でした。試合後に石川選手は、「勝てたことは、自信になりました」と語っています。世代交代を印象付ける、そんな試合でした。
2021年 全日本選手権 シングルス決勝
この試合は感動しました。石川選手が5年ぶりの優勝だったからです。これまでの全日本選手権では思ったように勝利できず、もう世代交代なのかという雰囲気がありましたが、それを一蹴したような、そんな印象的な試合でした。
上の写真は、決勝で伊藤美誠選手に勝った瞬間ですが、これまでの苦しかった期間を物語るような、そんな表情だと思いませんか?本当に苦しかったんだなーと、私は勝手にそう思い感動しました。笑
2017年 世界卓球 混合ダブルス決勝
この試合は、石川選手を語る上で忘れてはいけない、そんな試合です。印象に残ったというより歴史に残った試合でした。それもそのはず、48年ぶりの金メダルだったからです。
この試合で、今後日本も金メダルを獲ることができる!ということを世界に宣言したような気がします。
この試合だけは、YouTubeの動画を貼付けさせてもらいます!
スーパープレー集
石川選手の凄さが分かってもらえると思うスーパープレー集の動画をまとめました。スピードプレーが特徴的で、プロでないと目で追えないようなスピードです。ぜひご覧ください。
ワールドカップ団体戦2019 vsチャンリリー(アメリカ)
世界卓球2021 女子ダブルス準々決勝 vs中国ペア
世界卓球2016 vsバチェノフスカ(チェコ)
スーパープレー集まとめ(テレ東卓球チャンネル)
この動画は、テレ東さんが石川選手の引退を機に、スーパープレー集をまとめたものです。テレ東は世界卓球を中継するなど、卓球試合のテレビ放送に力を入れてくれています。今後の放送にも期待していましょう。
ちなみに、以下リンクからテレビ東京の卓球サイトにいけます。こちらも確認してみてください。
>>テレビ東京卓球NEWS:テレビ東京 (tv-tokyo.co.jp)
石川選手のSNS情報など
Instagramはこちら
石川佳純公式ウェブサイトはこちら
今後について
今現在、今後のことは発表されていません。引退表明時に「卓球を通じて学んだチャレンジ精神を忘れずに、色々なことに挑戦していきたいと思います。」との発信をされていますので、いろいろな分野に挑戦されることでしょう。以下、考えられる予想を書いておきます。
- 卓球解説者としての活動
- スポーツキャスターやコメンテーターなどでのメディア出演
- 卓球メーカーとの契約、卓球ブランドの設立(石川さん独自のブランド)
- 本の出版、卓球教室などの開設
ちなみに、すでに引退されている有名な元卓球選手の現在をまとめてみました。石川さんの今後の活躍の参考になるかもしれません!
水谷隼さんの場合
水谷さんはオリンピック、世界卓球で多くのメダルを取り、特に東京オリンピックでは混合ダブルスで金メダルを獲得した、卓球界の至宝の選手でした。2022年に現役引退されています。
その後は、卓球関連のテレビ出演や、「ズームイン!!サタデー」「ひるおび!」でスポーツキャスターやコメンテータを務めています。また、本を出版するなど、多彩な才能を発揮し活躍されています。
平野早矢香さんの場合
平野さんはロンドン五輪や世界卓球などでメダルを獲得し、世界ランクも最高10位 (2011年8月)まで昇りつめた方です。そんな平野さんですが、2016年に現役引退されました。
その後、卓球の解説者としてテレビ東京の番組や、テレビ朝日の「グッド!モーニング」などメディアに出演されています。また、卓球メーカーとのアドバイザー契約や、卓球協会の委員会などに所属したり、卓球分野をベースにマルチに活躍されています。
まとめ
こうやって書いていると、本当に長い間第一線で活躍してたんだなーとしみじみ思いました。それと同時に明るくかわいいキャラでテレビ出演なども行い、卓球の知名度向上にも一役買われていたと思います。
個人的には3回のオリンピック出場が石川選手の成長そのものだったと感じています。初めてのロンドン五輪では最年少でまだ幼く、リオ五輪では福原選手と伊藤選手の架け橋として、東京五輪ではチーム最年長としてチーム全員を牽引しました。
本当に現役23年間お疲れ様でした!これからもできる事なら卓球に関連した活動をしていってほしいと思いながら、ゆっくりしてほしいと思っています!