卓球のボール、ピンポン玉と言った方が馴染みがあるでしょうか?
実は卓球のボールは規格サイズが決まっていて、これまでに細かい変更を経て、現在の規格になっています。そんな卓球のボールの歴史について記事にしてみました。
卓球ボールの規格
まずは現行の規格の確認です。以下の通り、公式球は決まっています。
- サイズ:直径40mm
- 質量:2.7g
- 素材:プラスチック
ただ、この規格に収まるまで、いくつかの遍歴がありましたので、以下に説明します。ぜひ知識の参考として覚えてみるといいでしょう。
卓球ボールの歴史(公式球)
当初のルール 直径38mm、質量2.5g、セルロイド製
みなさん知っていますでしょうか?実は卓球ボールの規格は当初以下の通りでした。
- サイズ:直径38mm
- 質量:2.5g
- 素材:セルロイド
38mmと小さいボールのためスピードが速く見えずらいのに加え、回転もかかるのが特徴でした。
そのため、サーブが上手い相手の場合、返球がかなり大変でした。ドライブの回転やスマッシュもそうですよね。打ち返すのが難しかったです。そのため、なかなかラリーが続きにくかったのではと思います。
2000年 直径40mm、質量2.7g、セルロイド製
2000年にボールサイズが2mm大きくなりました。
- サイズ:直径40mm
- 質量:2.7g
- 素材:セルロイド
上記で書いていた通り、38mmではラリー継続が難しく、競技性が低かったらしいです。要は、観戦する側も含めておもしろくなかったということです。
国際大会やオリンピックなど、卓球の見どころはラリーですよね。応援している側もラリーが続くと声が出てしまいます。
観戦する側も、ボールが少し大きくなったことで見えやすくなりました。ただでさえ卓球ボールは白なので、見えにくいことがありましたが、サイズアップで見えやすさがかなりアップしました。
2015年 直径40mm、質量2.7g、プラスチック製
2015年にはボールの素材が変わりました。
- サイズ:直径40mm
- 質量:2.7g
- 素材:プラスチック
かなり昔に卓球部だった方、ボールの劣化って早くなかったですか?あと、すぐ破裂していましたよね。
特に継ぎ目!私も何個もボールを割ってしまい、顧問の先生に怒られていました。あと、光にも弱かったそうです。それ、セルロイドという素材でできていたものでした。
併せてセルロイドのボールは燃えやすい材質のため、製造工程での発火も危険視されていたようです。航空機への持ち込みも断られることがあったらしく、悩みのタネだったようです。
そのため2015年にプラスチック製のボールに改善されました。ちなみに、この変更でスピードや回転がセルロイド製に比べ落ちたといわれ、さらに競技性が高くなり、ラリーも続くようになりました。
いかに競技性をあげ、視聴者にわかりやすく楽しく見てもらえるのか、常に考えている姿勢が見て取れますね。ただし、度重なる変更のため、その変化への対応をしないといけない選手の苦労も忘れてはいけない点だと思います。
ラージボールとは
卓球を普及させるための施策
卓球は台が小さくボールも小さいため、初心者や高齢者は難しいスポーツでした。その解決策の一環としてラージボールが開発されました。これは日本独自のものです。
- サイズ;直径44mm
- 質量:2.2~2.4g
- ボールカラー:オレンジ
ラージボールだと公式球に比べ大きく軽いため、スピードや回転が40mmの公式球と比べて低くなります。結果、初心者や高齢者でもサーブや返球など、扱いやすくなりました。
また色はオレンジで見やすくしています(公式球は白)。
ラージボールについての詳細はニッタクのページから確認できます。
>>ボールと用具の基礎知識 | Nittaku(ニッタク) 日本卓球
ちなみに、近年はラージボールの卓球人口が増え、ラージボール公式大会も開催されるようになりました。今後も卓球人口がどんどん増えることを願っています。
まとめ
いかがだったでしょうか。卓球をやる側も見る側もおもしろくなるようにボールサイズや素材が変更されていました。そういえば、昔に比べて卓球ラリーが続いて、見る側も手に汗握るような試合が増えてきたようにも思います。
その陰で、ボール規格の変更に対応する選手や、変化についていけない選手がいたことも事実。今いるトップレベルの選手たちには頭が下がる思いです。
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